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選評
課題「橋」は、各地の大会や、誌上大会でよく取り上げられる題で、何となく取り組みやすい感じがしますが、さて作句の段階となると、耳なれの句、手垢のついた句、類想句と、いろいろな想いが先に立ち、うまく健まらないといった悩みを持たれた方が多かったのではないでしょうか。
集句の内容としては、丸木橋、かずら橋、吊橋、石橋、上橋、虹の橋、鉄橋、陸橋、歩道橋、二重橋、思案橋、未練橋等々、いろいろな橋が出て来ることが予想されましたが、橋本総理や大川橋蔵、八つ橋が出て来たのには驚かされました、。多数の集句の中から抜け出すためとは言え、こうした奇を衒うあり方は如何なものかと考えさせられました。
事実、類想句の氾濫という言葉がぴったり当てはまるような状況でした。約五四〇〇句の中から二一三句ですから厳選となるのは当然ですが、入選、佳句、秀句へ抜け出すための推敲する努力を惜しんではなりません。
佳句十句は、平易な表現の中に、作者の確かな訴えが私の心に伝わって来るような気がしました。
秀句三句は、いずれもその情景(想い)が日に見えるようで感服させられました。
いずれにしても舌足らずの選評となりましたが、意のあるところをお汲み取りいただけたら幸せと存じます。
小嶋句月

 

 

 

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